失うまでわからない本当に大切なもの

出会う人全てが敵か、儲ける為のネタ。
人を蹴落としてまで勝ちにこだわった20代。

「この会社は負け犬ばかりだ。」

とお世話になった会社に唾を吐いてやめてしまいました。
「おまえは、恩を仇で返すのか?」
「二度とこのビルには出入りするな!近寄るな!」
当時の支店長にはここまで言われちゃいました。

今から9年前、転職した時の私です。(当時29歳) それでも、どうってことは無かったです。
うまくいってる時はまわりもチヤホヤしてくれました。 バブルの波にも乗っていたのでしょう。
ヘッドハンティングだと自惚れていたのかもしれません。 そんな時は、自分のことが見えないんです。

しかし、やめてから分かりました。 いかに自分に能力がないかが。
どれだけ多くの人に自分が助けられてきたかが。

人間、一度落ちはじめると早いです。
築きあげてきたものが音を立てて崩れていくような毎日。
人が自分の周りから去っていくのがわかりました。
そこからは出口の見えないトンネルがしばらく続き、
一人でもがき苦しんでいました。 本当に長かった。

そんな時私を励ましてくれたのは、意外にも、
前の会社の上司でした。 私が「負け犬」だと見下していた上司です。

それにしてもこの上司、愛情のかたまりのような人なんです。
当時はただのお人よしだと思ってましたが。

転職後、数ヶ月して、その上司と街でばったり会いました。

 「メシでも行こうか?」ということになり、
お酒を飲みながら、落ち込んでる私を見て、 本気で励ましてくれました。
弱気な私を、本気で叱ってくれました。

「この人は、なぜここまで私のことを・・・。」
「私のことを思ってくれる人が、まだいるではないか。」

そう思うと、なぜか涙が溢れてきて、
上司のことを見下していた自分が情けなくて
人前で泣くのは恥ずかしいので、トイレに行って泣きました。

人間、成功してる時は人がどんどん集まってくるものです。
励ましや応援も沢山集まります。

 しかし、落ちぶれていく人を心から励まし、応援をできる人は少ないのかも知れません。

その日を境に、なぜか吹っ切れた自分がありました。
私を苦しめていたものが、見栄とプライドだということに 気づきました。

人を見下すことが、自分の弱さの表れだということに、 気づきました。
元上司には、いくら感謝してもしつくせません。 私の人生を変えてくれた恩人ですから。

この出来事がきっかけで、人に対する接し方が変わりました。
人の価値を能力や実績だけで決めるのはやめよう。

どんな人とも、損得でなく、魂と魂で付き合おう。
人のことを心から励まし、応援できる人間になろう。
そう思って行動していたら、また新しい出会いが増えてきたのです。

本当に大切なものは、失うまでわからない。
そんなものなのかも知れません。

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